PRESIDENT BLOG
「強くなければ生きていけない。でも、優しくなければ生きていく資格がない」これは米国のレイモンド・チャンドラーという小説家の小説の中の主人公のセリフです。
経営をしていると、強さを求められます。何かに迎合したり、いいわいいわで、社員や顧客のことに寄り添い過ぎていればあっという間に会社は傾きます。でも、一方で、長期的に会社を永続させていくためには、自分を犠牲にしてでも、顧客にとっても、社員にとっても、良いという風にしていかないといけないという、そういう優しさがいります。
経営判断で、ほとんどの経営者の方が悩んでいるのは、ここではないでしょうか?強さと優しさバランス。かくいう私も、これについては本当に悩んできました。今でも悩んでいます。でも、以前ほどは悩まなくなりました。それは、強さと優しさはバランスではないなと気づいたからかもしれません。
そもそも、強さとは、厳しさであり、厳しさとは何か?というと「一貫性」だと思うんですね。きつく言うとかではなく。つまり、自分がたてた目的や目標、ルールに対して、それをするために社員にも、協力先にも、顧客にも一貫性を持って接する。
それがなく、人に寄り過ぎるとどうなりますか?あっという間に、不公平になるんです。私も、顧客とも喧嘩してきましたし、社員にも厳しくしている面はあります。協力先も、あるときには切ったこともあります。
じゃあ、私が昔から強いかというと、正直わかりません。むしろ、若い時は弱かったと思います。小さい時は、よく優しい子だねと言われていました。先ほど、強さと優しさはバランスじゃないといいましたよね。それは、優しさが強さに変換していると思うからです。
私が、経営をしてきて、元々弱かった、優しかった自分をその立場から変えなくてはならなくなった。でも、元々は優しいんですね、自分で言うのも変ですが・・だから、強くしたんだと思うんです。社員を守りたい。顧客のためになりたい。それでひいては
世の中のためになりたい。強さはそういう優しさの変換であるべきだと思います。
なので、それがない優しさは、厳しいことをいうと、自分勝手です。だって、そういう優しさの結果は、すべての人にとってよくないからです。また、結局は自分が良く思われたいという心に勝ててないのです。本当に優しい人は強い人だと私は思っています。