PRESIDENT BLOG
「会社というのは、経営者の器通りになる」ということを稲盛さんはよく言っていました。これは規模だけではないです。やっていることの難しさや社会性、利益率、安全性、成長性、色々なことを含めてのことだと認識しています。
でも、規模も、当然、その一つだと思います。いくら良い会社だといっても、一人だと、それは会社とは言えません。社会への貢献もしれています。
では、この器とは何なのか?私は、経営者の理想、願望だと思っています。理想をうちたて、それを数値化し、それを口だけでなく実行していく。意志の強さ、それが経営者の器だと思います。
とはいえ、経営者は、元々は保守的なところがないといけないと思います。危機に対して、敏感である。そういう感性がなく、ただ、願望
によって、能力もあって、次から次に思いつきで、事業拡大していくのは本当に怖いです。
こういう恐怖感を持った経営者が、理想をうちたて、その恐怖感と闘いながら、理想に引きずられるように、器を拡げていく、こういうことが正しい成長かなと思っています。
以前に、試練というのは常にあると言っていましたね。私、1人から事業をはじめてきています。そうすると、最初は鍋蓋組織です。自分と社員というのが直接の命令系統にある、この場合だとまさしく目が行き届いているわけです。規模が小さいがゆえに、組織も脆弱で、色々な面で、未熟なわけですが、自分の命令系統に全てがあるので、良くも悪くも、すぐに問題に気づき対処もできます。
しかし、それでは、永続性がないので、組織として属人化しないようにしようとするために、組織化していきます。つまり、階層がはじめてできるわけです。階層ができると、直接の指揮命令をリーダーに預けるわけですから、当然、問題に気づくのが遅くなります。
もちろん、そうならないように、仕組化していくし、リーダーも教育するわけですが、鍋蓋組織のようにはいきません。当然、自分が気づかないような問題が起こる、これがために昔なら起こらなかったことが起こるということになります。
でも、ここです。それが潜在意識の中に恐怖があり、自分で成長を制限するようなことが、理知的であればあるほど、無意識に起こります。
試練のストレスに耐えられないわけです。
そこを越えていくには、ビジョンがあると同時に、そういう問題がある状態を許容することでしょうね。稲盛さんのように、成長をし、なおかつ堅実というのは、器が元々大きいというのもありますね。そういう問題を受け入れられるというか・・
でも、人と比較しても仕方ないです。自分は自分の器を受け入れ、それを大きくしていく、受け入れる器を大きくしていく、努力していく、それが経営者として生まれてきた人生かなと思います。