PRESIDENT BLOG
元々、一升びんの洗浄という究極の衰退企業であった会社から、クリエイティブでブランディングをする会社になってきています。先日、取材があって、「普通は、そこまで変化できないのですが、なぜ、御社はできたのですか?」と聞かれて、「一般的ですがビジョンを早くに決めることができたからです」と答えたのですが、これを、もう少し深堀していきます。なぜかというと、そういうビジョンを決めても現実に流され、変化できないという方が多いからです。
経営というのは常に目の前の現実から逃れることができません。もし、10年間でこういう会社にすればいい、採算は度外視でということができれば、どんなに楽かと思うのですが、毎年、黒字にしなければいけないし、なおかつ、社員の給与も上げていかないといけません。そのようなプレッシャーの中で、経営していくと、現実にそったほうが経営効率が非常にいいんです。
また、社員は、特に、短期的目標にコミットしているので、どうしても現実的な方に意識がいきがちです。逆にそうでないと困ります。何か、新しいことをしようとすると、社員から「今、忙しいんです。残業も多くなっています。短期的な目標はしなくていいんですか?」と言われて、「そうか~、じゃあ、仕方ないな~」というパターンじゃないでしょうか?それじゃ、一歩も新しいことなんかできるはずがありません。
私は、常に謙虚でないといけないということをお話ししていると思いますが、これに関しては、願望に合わせるという、ある意味傲慢ともとらえられる考えをおすすめしたいのです。人に合わせず、自分の願望に合わせる。「忙しいかもしれないが、将来のために、なんとか工夫してするんだ」というような感じです。願望というと、言葉が悪いので、理想と言い換えてもいいかもしれません。そうすると、不思議なことで、少しづつ理想に近づいていきます。
現実4:理想6と言っていますが、マインドの中で、トップは少し理想が勝っている状態、それが、いいと私は思っています。逆にいうと、だからこそ、その願望は、社員のため、顧客のため世の中のためという、きれいな願望でないといけません。自分の願望を押し付けるわけですから、その願望が利己的なものだと、弱くなるじゃないですか。
これは、今はわからないかもしれないが、社員のため、顧客のため世の中のためなんだ、自分のためではない。それが、意志を強くしてくれます。また、そういう強さを自分の中で持たないといけないので、日ごろから謙虚で、人の意見に耳を傾けないといけないのです。特に戦術面は、社員の方が現場に近いわけですから。
強くないといけないときに強く、優しくないといけないときに優しくということだと思います。この強さと、優しさを両方を育てていく必要があると思います。