PRESIDENT BLOG

2024.08.05 シュンビンのこと

永続的発展

シュンビンが、上場するにあたり、なぜ、上場するんですか?と問われたら、社員のためと答えるというのは以前もお話ししました。

そしてもう少し、詳しく、ということでお話ししているのが「シュンビンという個性を考えたときに、どうすれば永続的に発展できるかを総合的に考え、この決断にいたりました。しかし、これは弊社のお客様には伝統産業も多いので、そういうお客様は上場されない方が自然であり、あくまでもシュンビン
の代表としての判断です」とお話ししています。これを少し掘り下げて考えてみます。

永続的発展、ゴーイングコンサーンと言いますが、世界でもっとも長寿の会社が多いのは、圧倒的に日本らしいです。では、その長寿の会社が上場しているか?というと、そのほとんどが上場していません。

私も、3代目社長です。小さい時から、会社を継がないといけないということが、潜在意識に植え付けられていて、知らず知らず、自分がリーダーになったらどうするか?と物事をみています。自分が、経営トップとして仮にも24年間しているのは、そういう小さい時からの精神的な訓練が活きているのかなと思います。だから、私は、相続は相続で合理性があると思っています。

もうひとつ、日本がもっとも、長寿の会社が多いといいましたね。それは、色々な見方はありますが、やはり、続くということを第一に考えているんじゃないかなと思います。

例えば、私ですと、チャレンジしたいという事業欲があるんですね。そして、長く続くのも大事ですが、やはり、社員が幸せに楽しくやりがいをもってやってほしいという欲もあります。もちろん、長く続かないとチャレンジも社員の幸せもないでしょうが、そのような事業欲や社員のためという欲よりも、長く続くということの優先順位が高いということが長寿会社には多いと思います。

保守的ということですね。そして、長く続いているオーナー経営者にとって上場するメリットはないと思います。一般的にはですね。そして、もうひとついうと、株主さんの意向というのが経営にはいってくるので、より、経営が難しくなるという面もあり、管理関係が整備され、リスクは軽減されますが
株主さんが利害関係者になることで、長く続くという価値が最優先にはならなくなると思います。

では、なぜ、このような苦労がありながら上場するか?ということに戻って、シュンビンの個性という話をしましたね。これは、徹底的な公私の区別、社員のやりがいを追求している、より大きい世のため人のためという次のステージを目指している、ミッション、ビジョンをベースに志を同じくする人が活躍できる組織を目指している。そのような個性からパブリックカンパニーである方がよいと思うからです。

3代目社長として会社を継ぎましたが、当時は衰退企業をリセットして、一から新しくやっているので、自分の中で理想的な会社にしてきた。それが、逆にはじめから、意図したわけでなく、リセットしたことで、結果的にファミリービジネスとしてそぐわない会社になったということだと思います。生きるか死ぬかでガムシャラにやっていたので、相続することなんかは全く考えなかったんです。

いつかは、私も会社を離れると思います。できるだけ、永続的発展を目指しますが、続くことだけを
第一には考えません。私たちの理念、ミッション、ビジョン、考え方が活きていることが大事です。
そのことも、ある程度は変化していくでしょうが、シュンビンの個性が社会に必要とされ、貢献することで、もし、上場しない方が、リスクは少なくなったとしても、自分たちに厳しい道を選んで、世のため人のために尽くしたい、チャレンジしたいということです。

このような会社の個性、自分達がしたいことを総合的に考え上場したということです。