PRESIDENT BLOG
今回は、私の政治とのスタンスについてお話しします。
経営というのは、外部環境が常に影響を与えるという意味でいうと政治的なことに無関心ではいけないと思います。我々も顧客にPEST分析という外部環境の分析方法をおすすめしていますがそれは、政治、経済、社会、技術という自社ではどうしようもないこと、つまり外部環境がどう影響を与えるかという分析をします。しかも、この4つは相互に関係していると思います。
ですから、政治というのは、経営とも関係しているだけに、経営者の多くは関心もあると思います。もちろん、意見もあるわけです。ですが、私は、政治的思想を社員に強制したり、ましてや顧客に対して表明したりしてはいけないのではと思っています。そういうところも結構あると思うんですよ。
なぜなら、その政治的なことはおおむね、大きい問題をはらんでいるので会社のミッションから逸脱するからです。そして、そういうことは、感情的なことにもなります。そう考えると、政治的なことの対応としての会社としての判断は、政府や自治体の方針と大きく逸脱したことはできなんじゃないかなと思います。
今のトピックスでいうと、ワクチン接種とかは、はじめは政治問題ではなかったと思うんですよね。でも、人間の自由とか平等というところの問題を包括してしまって、今では、完全に世界的にも政治問題化していると思います。ですので、会社としては、もし、ワクチン接種しないで、コロナ感染を引き起こすというリスクを考えると、ワクチンを勧めますが、でも、やはり強制はできないと思います。つまり、政府発表と同じですね。(医療機関は別です。)
私、まだ、社長になる前に、一升びんの洗浄をしていました。それで、その事業をなんとかしたいという思いで、環境問題をすごく勉強した時がありました。そして、勉強すればするほど、その問題の大きさにびっくりし自分も何かできないかと思いました。しかし、それは間違いでした。それを勉強して無為な時間を過ごしている間、会社業績は悪化をたどり、父が急死して私が社長になったときは、会社は大きな危機を迎えていました。
私は、社長という責任のある立場になって、はじめてわかりました。私が望まれているのは、社員やお客様に対しての責任であり、政治的なことの意見ではなく、そういう影響を受けて変化する外部環境に対してどういう手を打っていくか?ということです。
もちろん、個人的に政治的意見を持つのはいいと思うんです。選挙権もありますしね。ですが、会社はミッションを遂行し、会社理念を全うする公器だと思うので、個人的な信条は持ち込むのはよくないと思っているわけです。また、トップがそういう考えを持つことで、政治的な色を組織につける人もいなくなるし、多様性のある組織を維持できるのではないかなと思います。