PRESIDENT BLOG
「組織はリーダーを映す鏡である」稲盛さんはよくこれを言っていました。リーダーの考えが良くも悪くも組織に影響を及ぼす、でも、考えてみたらそうかもしれません。
会社の仕組み、評価、マーケティング、戦略、すべて、経営者の考えが反映されいるといっても過言ではないかもしれませんね。経営者の考えのレベルが高ければ、経営判断のレベルも高まり、良い判断になりますし、経営者のレベルが低ければ、そのレベルでの判断になります。ただ、それは、レベルが高い低いとは、そのときの当人にはわからない。それがやっかいなところです。
社員との関係についても、時代もあるんでしょうが、私の成長とともに変わってきている面もあるのかなと思います。私、社長になって、もうすぐ19年です。最初は、もう悲惨な状態で、経営者としても未熟でした。そのときは、社員が腹が立って仕方ないというか、会社が危機で、このように大変なのに、なぜ、一生懸命にならないのかと、せめて、自分の半分でも会社のことを考えてくれたらいいのにと思っていました。
それから、経営の苦労を重ねる中で自分の考えのレベルが徐々に上がってきたんだろうと思います。そういう下準備ができていたというのはあると思いますが決定的に変わった瞬間がありました。それは、12年ほど前に、盛和塾でおっしゃった稲盛さんの一言でした。社員のモチベーションについて塾生が質問されているとき稲盛さんは「あなたは経営者だからできるんで、あなたが社員ならあなたもできないんでよ」といわれたことです。
確かに、私がサラリーマンの時を考えると、自分もできてなかった、自分は社長という自分の立場のフィルターを通して、社員をみていたなと気づきました。そう見方が変われば、社員が経営のことを考えてくれれば、ありがたいと感謝の心に変わっていきました。同じ現状でも、考えを変えることで、感謝にも不満にもなります。
その後、社員の立場にたつと、やはり社員も生活があります。それをしっかり確保し、その上で、やりがいのあるようにしたいという基本的な考えを仕組みでも取り入れないといけないと思うようになりました。
無用の競争を社内に持ち込むのでなく、それぞれの立場、現状を認め、それぞれが少しでも、会社の方向性を考えながら、前に進む。そのためにも、会社の一員として認めてあげる安心感がいると思います。安心感の上に、必要とされているという重要感をもって、その中で、頑張ってくれた人には報いる。それを皆が感謝する、そのような会社をつくりたいと思ってきました。
まだまだ、ティール組織などにもあるように、人間は、人間の能力を最大化する仕組みをつくれてないのかもしれません。しかし、それも、経営者の心以上にはならないと思います。私が、心を高め、社員が心を高め、会社のレベルがあがり、さらに、シュンビンの一員でいることを心地よく誇りに思うようにしていきたいと思ってます。