PRESIDENT BLOG

2023.02.27 その他

信念について

物事を成し遂げるのに、大変、重要なものとして信念というものがあげられると思います。組織も、信念の強い人に惹かれるということも聞いたことがあるので、トップの持つ信念、そして、その信念を信念できる仲間(社員)がいて、はじめて、物事というのは成し遂げられると思っています。

では、その信念とは何か?ということと、どういうふうに生れるか?というのは曖昧です。難しいお題ですが、今回は、それを話してみたいと思います。

私、もう解散しましたが盛和塾という稲盛さんの経営哲学を学ぶ塾にいました。皆、稲盛さんを尊敬して入塾してきたと思いますが、その中で、フィロソフィを社員と共有しアメーバ経営をしているという人は、5%満たないと思います。稲盛さんが、フィロソフィとアメーバ経営が大事ですとあれほど、何回も言っているのにです。これは、稲盛さんを信じている力が弱いんじゃないかと私は思います。稲盛さんは本物の経営者だと思えば、そのことの本質は理解できないまでも、まずは、信じてやってみるということだと思います。でないと、自分の都合で、自分が求めているような答えを探してしまいます。

これはある意味、宗教でも同じです。キリストも「まず信ぜよ」と言っていますし、マホメットも「疑うよりも信じることの方が幸せだ」というようなことを言っています。他の宗教も同じです。キリストなどの悟った人の全てをわからないと信じられないというのなら、どのようなものも信じられないし、そのような教えを信じて、自分の心を善いようにもっていこうという風になりません。

では、その信念はどこから来るのか?これは理屈ではないです。人間の心には、物質心、植物心、本能(動物)心、理性心、霊性心があります。この中の霊性心から直接にでてくるインスピレーションが信念となっていきます。

例えば、自分の両親が自分の本当の両親か?と疑わないように。もし、見なければ信じられないというなら、信じられないですが、そうではないですよね。無条件に信じている。それが信念です。なので、稲盛さんを信じるかどうかも、理屈じゃないんです。これは本物だということを感覚的にインスピレーションで知り、それを疑わない力がいると思っています。

なので、まず、信念とは何か?どこから来るか?ということは霊性心(インスピレーション)からくると思ってください。ぱっと、「これは正しい」と思うこと、これが信念の原点だと思っています。逆に理性心で、あとで、「そうは言っても」とか、「言ってることは正しいが、そう簡単にできるものではない。」というのがでてきて、信念を弱めます。だから、信念を強くするには、まず、霊性心からでるインスピレーションが理性心や本能心で描くことよりも人間として高級だという認識を持つことですね。

ですので、信念の力を強める(渙発する)必要があります。その仕方は地道な訓練です。これは人間の持つ霊性心の発現をうながすことです。具体的に言うと、積極的思考とか、自己暗示とか集中力の養成とか色々あるのですが、これは次の段階かと・・まずは、信念とはどんなものか?というのがファーストステップかと思います。

私、2001年から社長になって、衰退企業を引継ぎました。そのような悲惨な状況の中で、将来、中小企業の企画部を代行する会社になれないか?ということがインスピレーションで出てきたんです。それだけでなく、こういう規模でとかどういうメンバーで、といののも、すべて、今の目標と合致しています。とはいえ、いきなりは無理なので、まずは商品企画デザインの会社になろうとして、だいたい、2012年には完成しました。それだけでも良かったんですが、さらにリスクを負って、自分が信念している中小企業の企画部を代行する会社になるために、一人で、新しい事業を模索していきました。

どこから進めればいいのか?何をしても、うまくいかない社員もはじめは賛同していましたが、うまくいかなくなると、関心がないだけでなく、疎ましくなってきます。孤独感が増し、孤立無援の中で、なぜ、その信念を貫けたか?それは、自分の信念は「今は誰もわかってくれないがこれは、自分のためではない、社員のため、顧客のため、世のため人のためなんだ」という信念が勝ったということだと思います。

そういう経験をしてきていますので、この信念の大切さを身に沁みてわかっています。中村天風さんは、「信念、それは人生を動かす羅針盤のごとき尊いものである。信念が欠乏してなされる努力は、羅針盤がない船で航海をしていると同様である」とおっしゃっています。

信念は、自分自身の可能性、社員の可能性を信じることにもつながります。信じる力が弱い人は自分だけでなく仲間も信じられないんじゃないでしょうか?だから、物事を成し遂げるには、この信念という信じる力が不可欠だと自分は思っています。特にリーダーはそうですね。