PRESIDENT BLOG

2019.11.11 その他

信なくば立たず

これは、信頼なくして、リーダーとして物事を成し遂げることはできないという意味だと思います。歴史をみても、信を失い滅んでいく組織もあれば、絶対の窮地から逆転していくのも信がついてきているかどうかによります。

信を得よう得ようと思っても信は得られません。人に求めるのでなく、自分自身を信に足る人間になるように、つくっていかないといけません。また、それは日々の仕事の中で実績とともに、積み重ねていくものだといえます。

同時に、信とは人の心なので移ろいやすく、いくら実績を上げていても、少しのことからほころんでいくのも、また、人間集団のおもしろいところだと思います。逆に今まで信頼がなくても、あることをキッカケに変わるというのもよくあることなので。

さて、先日、弊社のNO2の常務が社内勉強会で会社の歴史をレクチャーしてくれました。会社を4つのターニングポイントにわけて説明してくれました。

私もまったく同じ考えですが4つをさらに大きく分けると、私は2つかなと思います。その二つは、大きい変化の決断をしたということから始まっています。一つは、今から18年前の私が社長になってからの創業期と、もう一つは7年前の商品企画の会社から中小企業の企画部を代行する会社への転換に舵を切り、今までの仕事のマ―ケティング面を任せ、一人で新しいビジネスモデルをつくっていったときです。

18年前は私も未熟でした。しかし、なんとか組織をひっぱっていけたのは、強烈な危機感です。人間を一番動かすのは危機感というのを聞いたことがありますが、この危機感があれば、人はまとまりやすいと思います。

7年前のときは、会社としては順調でしたので危機感に訴えることはできません。それを強引に一人で変化をさせていく。もう、何からやって何をすればよいのか?全く誰も教えてくれないわけです。自分にあるのは、企画部を代行するという想いだけです。皆も総論は賛成なのですが、結果として見えてなければ組織としては邪魔にしか見えないです。

振り返れば、この頃は、自分に対する信頼が低下していたのかもしれないと思います。なんとか、信頼が保ってくれたのは、創業期を立て直したという経営者としてのそれまでの実績。または、経営者としての考え方、ふるまいとか、それも蓄積でしょうかね。そういうもので、信頼をつなぎとめることができました。そして、少しずつ、これはできるんじゃないかというのを社員が自覚し始め、今では、私の言うことが絶対できるし、しなければならないこととなってきたと思います。

7年前に一人でやりはじめたとき、信頼が失われるというのは折込済です。しかし、これは自分の為ではない、今はわからないかもしれないが、社員の為、顧客の為、ひいては世の中の為なんだという信念が、そういう状況を乗り越えさせてくれたと思います。そして、その経験が社長として成長を促し、社員の信頼は強固になり、組織としてよりよい方向いくということにもなります。

しかし、このような一か八かのやり方は、相当なリスクをはらんでいます。うまくいかない期間が長引くと私に対する信頼は失われ、組織が空中分解してしまいかねません。もう少し組織が今のように成熟していたなら、他にも方法はあったかもしれませんが、7年前のあの状況では、私が一人で新ビジネスを開拓するしか方法はありませんでした。

私が社長の間はこのような無茶な賭けはもうないかなと今の時点では思っています。新しいチャレンジは今後もしていきますが、堅実にやっていきます。一か八かというのは、一生のうちに1回か2回だと思います。それが常態になったら、会社運営としては危険すぎるからです。