PRESIDENT BLOG
トヨタの豊田章男さんがコロナ禍のときに10万人ともいう世界のトヨタ社員に向かってスピーチをされていました。それは、「我々はファミリーである」ということです。この一言で、社員が安心し、鼓舞しただろうなと思います。
私の会社のフィロソフィにも大家族主義というのがあります。私どものフィロソフィは、京セラのフィロソフィをベースにしていますが、一番最後まで採用していなかったフィロソフィがこの大家族主義です。
なぜか?というと、私の個性に影響するかもしれません。私の世代も昭和ということで、古くは感じるようにはなってきていますが、それでも、一昔前の軍隊的な管理で雁字搦めの関係は嫌で、自由に仕事してほしいというのが強くあります。
そんな中で、社員との関係も、そこまでウェットなのは苦手というか私は、ある程度の距離をおくタイプだと思います。例えば家族ぐるみで付き合うなんかもやっている会社もありますが、そこまですると逆に気を使われるんじゃないかと思ったりしてしまいます。
では、なぜ、取り入れようと思ったかですが、そのような自由な雰囲気は維持しながらも、やはり、社員(パートさんも含みます)との関係、責任ということを考えるとファミリーと思った方がいいと思うようになってきたからです。
例えば、育児休暇やご病気で長期休まれることも社員の中にはあります。でも、これが自分の子供なら、やはり、孫が生まれたら嬉しいわけですし、病気になれば、そのことを心配し治療を優先しようとすると思うんですよね。実際、自分の社員に対する心情も年齢差でなく、父親の心情になってきていると思いました。
私、よく、営業部門の方に昔言っていたのは、「顧客を友人だと思おう」ということです。そのことにより、親身な対応になれます。それと同じで、やはり、社員は家族だと思った方がいいんだと思っています。そのことにより、深い愛情と責任感が生まれます。
では、社員を辞めたらどうか?ですが、これは、やはり、家族ではなくなります。もちろん、かとって嫌いになったりということはないですが、責任はなくなると思っています。
家族のカタチ自体も変わってきますが、その人に本当によくなってほしい、あるときには自分が犠牲になってもというような愛情、それの一番強い形が家族かなと思います。そこまで情が深くなるというのは逆に行き過ぎかもしれませんが、距離感を保ちながらも、家族なんだと思った方がいいと
思っています。
このフィロソフィをいれてから、コロナ禍が来ましたが、私も、豊田章男社長と同じように、社員の命と生活は守るということを、まだ、コロナの全貌がわからず社会不安の状況のときに発表することができたのは、やはり、このフィロソフィのおかげかなと思います。