PRESIDENT BLOG

2020.09.28 シュンビンのこと

人に気づいていただくリーダーシップ

リーダーシップのあり方というのを30代から40代前半はすごく悩んでいました。社員に対して、どこまで厳しく言えばいいのか?いいわいいわではいけないと思いますし、弊社では若い方が多く、その人たちの給与を上げていく責任が自分にはあるので、常に付加価値を二桁成長で上げていかなければ
いけません。それは、普通の努力では到底できないはずです。

私の尊敬する稲盛さんも、社員の為というのはありながらすさまじい厳しさをもってられ、講和などを聞いていても昔の迫力は凄かったんだろうな思います。自分もそうあるべきなのか?時代というものもあるのか?そもそも、登ろうとしている山も違いますし、当然やり方も違うでいいのか?本質は一緒なのですが、どこまでするかは自分で決めないといけません。

そのような悩みの中で、確か盛和塾入塾して、すぐぐらいだったと思います。シュンビンにとってのリーダーシップというものが確立し、そのころから悩まなくなり、会社としても良いように変化してきたかなと思います。

それは何かというと、厳しいことを言うのでなく厳しさを気づいてもらうということです。これは、元々、自分や第二創業期の初期に入社している社員の中であった文化でもあると思います。『あなたはどうしたいの?』ということですね。厳しさは一緒なのですが、その方がシュンビンではうまくいくとわかったのです。

人間は、自分で決めたことはするのですが、他人に決められたことはしません。気づいていただくというのは、自分で何をするかを決めていただくということです。そして、それを会社の方針とすり合わせるということです。

ですが、これはリーダーシップとしては、難易度がすごく上がります。例えば、今、人事考課なんですが、私、人事考課の資料を丸1日かけてつくり、その日に『人を動かす』という初版が1936年という私が人に気づいていただくリーダーシップのあり方の見本としている不朽の名作の本を読み、また、半日かけて全部見直します。つまり、人に気づいていただくといいながら、命令調になっていたり、自分の虚栄心がでているところを削るという作業をします。

これを10年以上しているので、人事考課は年に2回あるわけですから20回以上やっていて、普段も気をつけていてもこうなんですね。ことほど左様に難しいわけです。しかし、これが長年続いているので、それが元々あったというのもあるのですが、企業文化として根付いてきていて、それがシュンビンの成長を支えていると思っています。

これだけの会社としての変化をしながら、離職率が極端に低いというのは、根本として、家族主義、パートナーシップというような社員との関係がベースにありますが、このようなリーダーシップのあり方も貢献しているというのも一因だと思います。

ですから、技術的に会社の成長に今の時点でついてこれないから辞めてくれた方がいいという考えを私は持ちません。成長するのを待ちますし、どうしても、そのキャリアがしんどければ、違う道でもいいのです。フィロソフィさえ合っていれば。心の方が大事なわけですから。

ただ、中途から入社した人で前職で社員をモノのように扱うようなことに慣れてきた方(実はほとんどそうだと思います)にとっては、うちの文化が甘く感じることもあるようです。ですが、それは変化への違和感のようなものです。シュンビンの文化になじみベクトルがあったときに、その人は真に成長
し、素晴らしい人格になっていきます。自分で決める厳しさ、人に自分で決めていただく厳しさも、そのときに理解されるでしょう。

企業文化に沿わないと本当の意味で会社には貢献できません。それほど企業文化というのは大事なんですね。それも気づいてくれるように何回も何回も促していくということです。そして、それに気づいてくれた人が、また、後輩に教えていく、そうして会社は健全に成長していくのかなと思います。