PRESIDENT BLOG
シュンビンの社風として、社員が主体性があるというのがあります。これは、弊社の歴史と関連していると思っています。20年前、衰退事業から、新事業である自分たちでデザインしたびんの事業をはじめました。自分たちでデザインしたびんを製造して、それをカバンにいれて日本全国を行商していくのですが、それで飛び込み営業で顧客を訪問していき、モノがあるので、話は聞いてくれるのですが、それでも、簡単な仕事はくれません。
他社ができない仕事、小ロットで難しい仕事しかくれないんですよ。それをもらわないと、もう、話も聞いてもらえない、それをクリエイティブに提案して、なんとか成約していくということを、もう、第二創業時の最初からしていきました。20年前からですね。
なので、言われたことだけをしてれば、ビジネスにならない仕事をもらっているわけですから、それをどうしたらビジネスになるかというのをやってきたので、もう、最初からクリエイティブなんですね。それで、当時は、普通の仕事でロットが大きい仕事がうらやましかったです。でも、今思えば、そういう仕事をいただけなかったので、日本中からクリエイティブを求められる案件ばかり集まり、会社にクリエイティブ力という強みが自然とできたのだと思います。
逆に、普通の仕事でロットが大きい仕事は、それはそれでご苦労もあると思うので、結果的に、普通の仕事をいただけなくて本当に
良かったと思っています。シュンビンは、オリジナルびん、商品企画デザイン、ブランディングの会社と段階的に変化してきていますから、その変化の途中の、どこかで、クリエイティブになったんですね。と思われる方も多いんですが、そうではなく、最初からずっとクリエイティブなんです。逆に、最初からだからこそ、クリエイティブに変化してきた、変化が常態化してきたと言えると思います。
前置きが長くなりました。そのクリエイティブに付加価値をつけてクライアントに返さないといけないという状況が、シュンビンの
社員が主体性を持つ文化を創ってきました。ですから、シュンビンは自由なんですが、自分で主体性をもって仕事を探していかないと、いつか、言われたことだけしかしない人となって、そういう仕事しか与えられないようになります。
自分のキャリアも自分がつくっていかないといけないという、ある意味、人によっては厳しい文化ができたのだと思います。主体性とは、フィロソフィで言うところの、「自主自立」ということだと思います。自分はこういうことができます。自分はこういうことをしていきたいという自己アピールをすることで、他者がその人を認め、「これができるなら、こういうこともできるんじゃないか?」と仕事を振ります。
それだけでなく、シュンビンとしてはチームとして動くので、是非チームにあの人をお願いしたいという声がかかります。そのことで、その人がやりがいを見出し、期待に応えたいとしてさらに良い循環になります。主体性、自主自立は、自分勝手ということではありません。逆です。他者に興味を持つことで、では、こういうこともできるんじゃないか?こうおっしゃったけど、こういうこと
なんじゃないか?と自分で創意工夫して仕事を創っていくということなんです。
ニュースで特集していましたが、日本のフランス料理の巨匠、三國清三が、若い時に日本やフランスで修行していたときに、厨房全部の洗い物からはじめていったというのは、それに通じていると思います。
自分から求めていくことで、いつしか、すごいフランス料理を創れるようになったという・・・自分から仕事を求めていくことが、シュンビンの文化で、逆にそうでないと周囲が皆そうなだけに、仕事がおもしろくないかもしれません。