PRESIDENT BLOG
ビジョンというのは理想とする将来像のことです。会社をこういう会社にしていきたいという。例えば、「社員の物心両面の幸せを目指す」ということもそういう意味では、終わりのないビジョンでもあります。シュンビンの場合は、ビジョンの上位の会社の目的としての経営理念にしています。
これ、でも、皆さん、悩まれるところでもあるみたいです。要は、社員の為という心はあるが、会社の志とする覚悟まではないということです。
これについて、「自分の中で思えてないのであれば、あえて掲げなくても、いいんじゃないか。持ってないことを言うことが良心に反する。それよりも、目の前のことを一生懸命にする方が社員のためにもなる」という意見もあります。
私、これについても、本当に一理あると思っていますし、これはこれで、なんら間違いがないと思っています。しかし、私は、なおかつ、それでも、掲げた方がいいんじゃないかという立場です。
まず、掲げなくてよいというのも一理あるということについて、なぜ、そう思うか?ということを深堀します。
人間が、なぜ、ここまで進化したのか?それは、未来をイメージできるからです。この世の中の進化は、すべて人間が未来をイメージしたことによって起こっています。飛行機もAIも。このように人間の心は、未来にも過去にもいけるんですね。
しかし、その反面、実際の行動は、現在起こっている中で具体化していかないといけないので、未来と現在のギャップに苦しむことになります。つまり、社員のためといいながら、実際、そこまでできていない状況を社員がみたときに責められるんじゃないかというようなことです。
禅の言葉にも脚下照顧という言葉がありますが、これは、現在に集中することの大切さを説いています。それは、集中することで、研ぎ澄まされた状態になり、私欲が削られ、自分の中の良心が渙発しやすくなるということにもなります。
だから、特に、起業して初期とか、後継してすぐとかは余計なことを考えず、目の前のことに集中するというのはその通りだと思います。
では、次に、私が、それでも、ビジョンを掲げた方がいいかという理由について、さらに深堀しますね。ある程度、行動をされて、次のステージに行かれた方のために。
人間の思考は、常に未来からの逆算で動いています。例えば、トイレに行くということも、トイレに行くことをイメージして行ってますよね。その辺にするわけではなく。
だから、現在に集中といっても、それは未来への逆算の未来の長さが短いだけと言えると思います。また、そう考えると、現在の自分は、すべて自分がイメージした通りになっているということが言えると思います。
私が、それでも、掲げた方がいいというのは、そういう理由からで、人間は、イメージした通りの人生になっていくという宇宙法則があるからなんです。だから、最初は、短い未来でもいいですが、馴れてきたらさらに遠い未来を描いた方が、間違いなく、人生を歩めるのではないかということです。
社員のためということも、その時点で覚悟ができてなくても、その心が芽生えているのは事実なので、自分がそれを与えるということでなく、社員と一緒に社員の幸せを目指すということは言えるんじゃないかということで、掲げた方がいいというのが自分の意見です。
自分のイメージだけでなく、社員にも同じようにイメージを持ってもらうことで、会社がそういう方向にいくと思います。社員にとっても、リーダーがビジョンを掲げてほしいという人の方が圧倒的に多いと思います。少なくても、自分が社員だったらそうしてほしいと思います。
さらに深堀りして、心の使い方についてもお話ししたい。それは、この二つの矛盾、ビジョンを掲げながら現在に集中するということについて、どう解決していけばいいか?ということです。私も、悩んできたことですから。
それは、ビジョンは、潜在意識に任せてしまうということです。つまり、朝とか夜とか、潜在意識にはいりやすいときに、そのようなビジョンを考え、日々の業務の中では、目の前のことに集中すると切り分けるということです。そうすることで、知らず知らず、そのビジョンの方に行動が向ていくことになります。
そして、日々の刹那に潜在意識が働き、顕在意識に影響を与え、ビジョンが現実のものとして現れてくれば、それが信念になっていき、強いものになっていきます。そうなれば、そのビジョンに向かう目標がでてきてより具体化していき、ビジョンに向かうのが楽しくなります。これが、私がビジョンを掲げることをお薦めする理由です。ほんの少しの勇気を持つことが未来を変えていくと思っています。