PRESIDENT BLOG
シュンビンの経営理念は、全社員物心両面の幸福と世の中の貢献になります。これは、私がたどり着いた事業の目的です。2001年で社長になり、すごい苦労を重ねて、中小企業の企画部を代行するというミッションは早くにできていたのですが、では、何のためにこれをするのか?ということで悶々としていたのですが、2009年稲盛さんの影響もあり、この理念にたどり着きました。
2009年までの社長になって7年半を振り返り、自己流で悩みながら経営をしていましたが、社員の幸せという観点でみると、2009年までの自分の経営も、あながち、間違ってはいなかったんだなと当時思いました。ただ、これを公表することはさらなる覚悟が必要です。2009年に、この経営理念をたててから、14年が経っています。自分が経営者としての未熟なので、まだまだ会社もこのレベルですが、でも、この理念を外して経営はしていないというのは自信を持って言えます。
この理念は、京セラさんの理念と同じですが、今の日本では普遍性があると思っています。違いがあるとすれば、「〇〇を通じて」というところでしょうね。シュンビンの場合は、ミッションとビジョンを別にしていますが、ミッション、ビジョンが「〇〇を通じて」というところととらえていいと思います。
盛和塾でも、この理念をいれない方も多いです。それは、色々な理由がありますが、一番は、覚悟でしょうかね?これをいれるということは、本当にそうなんだなと社員に検証されるということになります。なので、大変な重い言葉なんです。でも、私はだからこそ、公表すべきだと思っています。逆に私が社員の立場なら、自分がやっている仕事が自分の幸せにつながっているかどうかわからない、そして、トップがそれを言えないということは嫌だなと思うからです。
さて、実は、この理念、さらに深い意味があると思っています。なので、今まで、この理念に対して迷う方から色々な疑問をいただきましたので、ここであげて、少し、分解して深堀りしたいと思います。そのことで、この理念をより深く理解いただくということにもつながると思うので。
まず、この理念で、一番、疑問として言われるのは、理念の中に顧客がはいっていない。カスタマーファーストじゃないのか?なぜ、社員なのか?ということです。これは、一言でいうと、「責任の範囲」です。私たちも、顧客をないがしろにしていません。
私たちのフィロソフィでも顧客第一主義という言葉があり、顧客を起点にビジネスを組み立てないといけない。と常に言っています。そして、上にも「〇〇を通じて社員の幸せと社会貢献」というのが会社の個性ですと言いました。その○○の中に顧客との関係がはいっています。
事業というのは、すべての人を幸せにするものでないといけないと思います。ですが、ビジネスの起点はあくまでも顧客です。ただ、そのステークホルダーごとに責任の持ち方が違いますよね。経営ではやはり社員の幸せに対して責任を持っていると思います。顧客はもちろん大事ですが、顧客の社員の方は、やはり顧客の社長はじめ会社がその集団の幸せの責任を負っていますよね。なので、客観的には、私たちも顧客に良くなっていただきたいのですが、責任は持てません。だから、経営としては社員の幸せに対して、その責任を負っていると、ただ、それは顧客や世の中に貢献して得られるものですよと、そういう関係性だと認識しています。
社員の幸せと顧客への貢献は対立するものでなく、むしろその逆だと思っています。社員の幸せを責任をもって追求することで、社員のモチベーションが向上し、顧客への貢献度も上がると思っています。そのことで、顧客の社員の幸せにも間接的に貢献します。
次に、皆さん悩まれるのが、「全社員」というところです。この疑問は、どのような決断も全員にとっていいことというのはないのではということです。これも一理はあるんですが、一言でいうと、「社員に対する信頼の捉え方の違い」です。つまり、社員がただ、会社から恩恵を受ける存在ととらえると全社員のことを満足させるのは難しいとなります。でも、全社員が、全社員という公益のために尽くすような美しい心をもっていただく、それが個人の幸せにもつながるというのを前提とし、社員が主体的に行動を起こせると信じれるなら経営は、全体最適と部分最適を両方考慮はしますが、全体最適の方を優先して問題ないはずです。私は判断する時、その人にとっていいかどうかも考えますが、この判断をすることで、全社員にとってどうかをより考えます。個人である人も、結局は全社員が幸福であることを望んでいるから人を犠牲にしてまでも自分が幸せになりたいとような人はうちにはいないと思うので、もし、そう思う人がいるなら、そういう人に寄り添うことは難しいと思います。そういうなんでもありの全社員の幸せではありません。
最後に、人によって幸せは違うんじゃないかということです。これは確かに人によって幸せに感じることは違うかもしれませんね。そこは認めていますし、自由があっていいと思っています。だけど一緒のこともあります。これは以前のブログで変わるものと変わらないものがあると言ったのと似ています。なので、あえて、これも一言でいうと、「人間として共通の幸せの追求」です。
人間の幸せは、真善美と良心の発動と、進化と調和の流れにそっていることです。例えば、全然、実力が違う人に同じことを求めてもいけません。それぞれの実力、個性から、今よりも進化している調和をしながら進化している、そして、会社全体として世の中のためという良心に向かっているということ、これについては、個々の方のアプローチは違うかもしれませんが、個性を活かして世のため人のために尽くすことは、すべての人間に共通の幸せだと思っています。
事業というのはステークホルダーの幸せ創造のためにある。そこは、永遠だと思いますが、雇用と社会の関係などがこれから大きく変化していく中で、あえて、社員の幸せというのを経営理念とするかどうかというのは、幸せ創造という本質は変わらないが、今後、責任の考え方は変わっていく可能性はあるかもしれません。ただ、今の日本では、企業がそれの一端を負っているというのはまぎれもないと思うので、私は、そこは逃げれないことだと思っています。また、社員の幸せの追求は世の中の貢献のファーストステップでもあると思っています。