PRESIDENT BLOG

2020.09.14 シュンビンのこと

シュンビンの企業文化を育てる

先日、京セラの元社長の伊藤謙介さんの講演に参加しました。京都経営塾(旧盛和塾)主催です。伊藤謙介さんと言えば、稲盛さんのNO2として稲盛さんが起業する前から支えた方ですが、素晴らしい人格の方だなあと思いました。

講演は1時間ぐらいだったのですが、伊藤謙介さんがおっしゃたのは、ひとつです。『企業文化を育てることがリーダーの役割なんだ』ということです。色々なところで講演を求められてるようなのですが、同じことを話しているとおっしゃっていました。

ノンタイタニック経営ということをおっしゃってられたのですが、どういうことかというと、タイタニック号はカナダ沖で水面に浮かぶ氷山の一角を軽視し、そこを進んでいき水面の下の氷山の凄く大きい山にぶち当たり船が真っ二つになって沈んでしまった。

経営も、これだというんですね。氷山の一角が企業としての業績、技術などの目に見えるものなのですが、それよりもすごい大きい部分として、中にいる社員の心、それを大きく育てていかないといけないのだと。

そこを軽視すれば、会社自体が崩れていく。『業績や技術は、すぐ陳腐化するわけだから、そんなものにこだわる必要はないんだ』と言ってられましたね。『創業者の企業理念が希薄したとき企業の命運は尽きる』とおっしゃってられました。

すごく説得力があったのは、伊藤さん稲盛さんの薫陶を受けた方なのですが、稲盛さん以外も偉大な経営者とお会いされて、松下幸之助さんや日本電産の永守さん、ソニーの盛田さん、その他、すべて経営理念を大事にし、企業文化を育ててられたと言ってられました。偉大な経営者は同じだと言ってられましたね。

では、どうして、それを達成するか?とにかく、徹底してするということですね。現場でもフィロソフィ使って話す、帰ってから哲学や宗教を家で勉強する、自分の心を高める、魂をこめて理念フィロソフィを語る、フィロソフィを誠実に決めたことを守るというようなことでした。

シュンビンの企業文化を考えた時に、稲盛哲学などの影響もありますが、総じて素晴らしいものになっているなと思います。良い意味での自由、自主性、積極性、思いやりの心、謙虚さ、素直さ、感謝の心、人によって態度を変えない、嘘をつかない、真面目さ、クリエイティブ、チェレンジ精神、お互いを尊重する、平等、人の嫌がることを率先垂範するなどです。

シュンビンの場合は、私は3代目なのですが、第二創業し私が創業者のようになっていますので、どうしても私の想いが反映されているところもあるのかなと思います。例えば、自由というのが強くでているのですが、私自身が自由に育てられ、サラリーマン時代も自由にさせていただいたことで、すごく良かったという経験があるからだと思います。

また、人によって態度を変えないなどは、私の経験からそういうこともあったのですが、やはり、自分を偽ると卑屈になってしまう、そういうことを社員にさせたくないというような気持がでているのかなと思います。

そういう良い面もあるんですが、一方で、少しルール、時間などに対してルーズであるとかは、今は私自身矯正してきているのですが、やはり、自分のそういう面が組織にも反映している部分があるのかもしれないなと思います。

例えば、ネガティブというのは私もう耐えれないので絶対注意するんですが、少しルーズなのは耐えれんですね。自由が許せるというのの副作用かもしれませんが・・でも、これは対立概念でなくルールを守りながら自由というのはできるはずです。むしろ、ルールを守るから自由でいいということも言えます。

今回の講和でも、伊藤さんが、そのような細かいことができていないと絶対にダメなんだといっていました。トイレの下駄をそろえる、礼儀をしっかりする、それができていない会社は、大事を任せられない会社だと断言されていましたし、これは、松下幸之助さんでも皆同じことを言ってられましたようですから、多分大事なことなんだろうと思います。実は、戦略や技術面よりも会社が大きくなるコツかもしれないですね。

このようにシュンビンの企業文化は、良くも悪くも、私や社歴の古い方の考え方の影響が強く出ているところはあります。良い面はもちろんあるので、そこは伸ばしていく、または守っていくべきですが、やはり、フィロソフィに鑑み、正していかないところは正していかないといけないなと思いました。

あとは、やはり、自分自身ですね。自分の人格を高めないといけないなと思います。伊藤さんを見ていても一目で人格者だというオーラがでていました。それと今回伊藤さんがもっとも強調されていた、企業理念を魂を込めて転移していく、それがすごく大事だと思いました、今までもしていたつもりでしたが、もっともっと意識していかないといけないと思います。

少し時間をおくと、伊藤さんの言葉が、心にすごく言葉が残っているんですね。朴訥とした話し方で、正直、話のまとまりもスマートではなかったのですが、人格が沁みる素晴らしい講演でした。