PRESIDENT BLOG
人間は、赤ちゃんのときは、他人と自分の区別がつかないようですね。母親も最初はわからない。それが段々、区別がつくようになる。それが自我のはじまりだといいます。自我がはじまったときから、人間は、苦しみがはじまるようです。それは何かというと、自分が一番大切だというエゴがはじまるからです。
英語でも私にあたる「I」が最も使われる言葉らしいので、これは万国共通ですね。だから、自分に一番興味があり、自分に執着するいうのが人間で、また、そのことでエゴが生まれていると言えます。これは「自分なんて」というネガティブな場合も同様です。
人間が自分自身をダメにする三毒というものがあります。貪瞋痴 むさぼり、怒り、おろかさですね。ブッタは、「自分自身の身を守れ」と言っていますが、それは、自分自身のエゴからはじまる三毒から自分自身を守れということだと思います。
この世で最も大事な私を大切にしなかった許せないという怒り、それが時をこえても、自分自身を傷めつけます。自分が他人より評価されたいという欲、また、そのことを自慢した欲、自分自身しか見えず、周囲がみえていない、おろかさ。
では、どうすれば、この自分をダメにする根本である三毒を抑えることができるか?これは、私の考えなのですが、2つ手法をお話したい。ひとつめは、本質論になるのですが、人間の本質を理解するということ、つまり、人間の正体は目に見えない気であり、心や身体は人間の本質でないととらえます。
これは、中村天風さんの考えなのですが、扇風機に例えると電気が人間の気にあたり、ダイナモが脳にあたり、扇風機本体が身体にあたります。こう考えると、ダイナモも扇風機本体も電気を活かす器具で、それ自体で動かないことが理解できると思います。こういう本質を知ることは、自分にとっては大きかったです。
もうひとつは、少し技術論的になりますが、“とらわれない”ということです。これは感情を無くせということではないです。感情がでても、そうですね。1秒以内で、それを手放すようなイメージです。マイナスの感情にとらわれることを執着といいますが、執着
をなくすことで、人間は自由さをはじめて手に入れることができ、最も強い状態になれると思っています。
経営者は、正しい判断をしないといけないので、感情にとらわれたり執着があるようでは、正しい判断ができないので、そういう訓練が必要です。