PRESIDENT BLOG
イノベーションのジレンマとは、クリステンセンという方が唱えた成功している企業がイノベーションのジレンマに陥り、新しいイノベーションに立ち遅れるというものです。
これは、私歴史が好きなのでよくわかります。『革命は辺境から起こる』ということがよく起こります。既得権益の組織には変革(イノベーション)は起こせません。しかし、そう言ってしまってはお終いなので、このクリステンセンさんの提唱しているイノベーションのジレンマを3つあげます。
1.イノベーションの製品は、初期の品質が低いので軽視する
2.自社の技術の改善スピードが、顧客の要望を超えても止められない
3.イノベーションの事業は、最初は成功している会社から見れば投資的な魅力がない(利益率が低い)
私が面白いなと思ったのは、今まで、既得権益の組織がイノベーションに立ち遅れるのは、組織が腐敗してしまうからという人に理由を求める論調が多かったのが、そうではなく、どちらかというと優秀で真面目な人がやっても、同じようになるということを言っているところです。もちろん、全く人の問題がないというのも言いすぎだとは思いますが、クリステンセンの意見も、もっともだと思います。
この本はそれを回避できる方法というか例を出されていましてひとつは、スピンアウト、つまり、社内起業をさせるということ。もうひとつは、トップのカリスマということです。
さて、我々は実際に経営をしているので、これを理論だけで受け取っても意味がありません。会社にいかに活かしていくということが必要です。そういう意味で、この本は、大企業を想定されてる感じがあります。我々は中小企業ですので、参考にしながらも、どうすべきかというのを考えたいと思います。
中小企業であれば、トップの影響力というのは当然大きいので、これについては、理想を掲げ、組織を引っ張っていかないといけません。ですから、トップのカリスマというのは、一緒だと思います。
もう一つは、これはそれの逆説にもなるんでしょうが、トップのカリスマが強ければ自主性というのが失われていく組織的なリスクが内包しています。特に中小企業ではそうでしょうね。
それを回避するための、自主性を失わない経営の仕組みがいります。弊社ではアメーバ経営というのがありますが、特にこれでなくても仕組みとして自主性をつくってく必要があります。
我々も今までは、トップダウンで新しい事業を切り拓いてきて、それは組織の段階として正しかったと思いますが、今は、ある程度、社員にも新しい事業にチャレンジしていただき、それを会社がサポートするというのも整備しようとしています。
このように会社の段階やおかれた状況によって、組織が常に若々しさを失わないようにしていくことが大事だと思います。