PRESIDENT BLOG
コロナ禍によってグローバリゼーションが後退するというような論調を巷で目にします。そして、その前兆として、トランプ政権下の保護主義化やブレグジット(英国のEU離脱)などについても触れられています。確かに、ここ数年、保護主義化というのが目立ってきている気がします。
歴史をみても、自由か保護主義かというので、世界中が大きく揺り動かされてきました。一番、わかりやすいのは、第二次大戦前ですかね。あのときもスペイン風邪という疫病、世界大恐慌、それによるブロック経済化、ブロック経済化とは、自国とその植民地をブロックして、保護主義化するということですが、それによって、遅れてきた植民地を持たない成長国、当時のドイツ、日本などが、行き場を失い、それが私は戦争への遠因にになったのではないかと思っています。ですから、実は、私、このへんの問題というのは、すごく大きい問題をはらんでいるんじゃないかなと考えています。
保護主義を支持する理由として大きいのは、それによって不利益を被る人が多いからでしょうかね。国内産業保護という観点から関税で守って輸入を防ぐというのは、その事業に従事している人を守るという意味でもあります。
アメリカでも、メキシコ国境に壁をつくるとか、EUでも東欧からの移民が先進国の中間層の職を奪っていった、また、特にブレグジットの大きい要因になったのは移民の犯罪などの問題ですかね。
では、最近の論調のように、グローバリゼーションが後退するか?というと、私は鳥瞰してみると、短期的にはそうかもしれないし、人流は減るかもしれませんが物流は減らないんじゃないかなと思っています。それだけでなく、物流や情報の画期的な進化により、ますます、物流面のグローバリゼーションは加速する気がしています。
リカートの比較優位の法則で示されているとおり、、自由貿易に自身の有意な分野に特化・集中することで、それぞれの労働生産性が増大されるといわれているように、合理的な判断をすれば、自由に貿易した方が良いからです。
もちろん、いきなり、関税をすべて0にしろとか、そういうことは言っていませんがお互いに少しづつでも関税障壁を取り除くように合意していきながら、というのが正しい流れだと思います。そういう意味では日本がTPP11をまとめたのは大きく評価できるかもしれませんね。
ですから、会社としても、クライアントも今後縮小する日本市場だけでなく海外にうってでるとなると思いますし、我々も、そのような社会に対応できるように準備しておかないといけないと思います。