PRESIDENT BLOG
父が急死に近いカタチで亡くなってから経営トップになって17年。
いきなり危機的状況に追い込まれ、父の代からの役員の方もみなストレスからか身体を壊して引退してしまい、気が付けば自分一人になってしまって、自分で一から経営をしていくしかない状況に追い込まれました。
当時は不幸だと思っていましたが、今振り返ってみると、あの時自分で一から会社の経営のことを決めれたのは大変良い経験であったと思います。
就業規則も人事制度も、ビジネスモデルも全部自分で作っていきました。
我々の世代は、まだまだ、唯物論的な考えにありまして、目に見えるもの、証明できるものでないと信じないという特性がありますが、私もまさしくそうでした。
しかし、急激な変化の経営の現場で最終決断をやっていくと目に見えるもの、損か得かだけで判断すると危ういと勘でわかることがありました。
悩みながらも、そういう経営の勘を信じてやってきました。
今思えば、それは概ね正しかったと思います。
しかし、その勘がなぜ正しいのか?ということを説明することができずにしていましたから、判断の中で常に神経をすり減らしてきたと思います。
例えば、シュンビンのミッションである『中小企業の企画部を代行する』ということはお客様にとって良いというのはわかるが、
それは社員一人一人にとってどういう意味があるのか?
その当時のお客様は、そういうことを望んでいるわけではないのでそれは社長のワガママじゃないのか?とか。
このように損か得かだけでは答えきれない疑問を抱えながら経営をしてきましたが、11年前に稲盛さんの盛和塾にはいって1年間
すさまじい勉強をして、自分の中の人生観が確固不抜なものになったと思います。
それをつくったのは哲学です。
人間とは何なのか?
人間の使命とは何か?
そういうことが自分の中で確立したので、あらゆる問題に対して明確な決断ができるようになってきたと思います。
稲盛さんは、会社というのは社長の全人格が投影するとおっしゃっています。社長が、判断に迷い、決めたことも自信なさげなら、その会社全体がそういうふうになっていまいます。
決めたことを強く推し進めていかないといけないです。
そのためには社長が確固不抜の人生観を持ち、それに対して信念をもたなければうまくいかないと思います。
その人生観と信念は哲学でないとつくれないと思います。