PRESIDENT BLOG

2020.03.23 その他

『JALの奇跡』を読んで

久しぶりに本を読んで泣きました。この『JALの奇跡』はすごい本です。稲盛さんはJALの再生において、二人だけ副官を連れて行ったと聞いています。

一人はアメーバ経営を導入するために森田さんという私どももアメーバを学んだ時に触れさせていただくことがあった方。もう一人は大田さんという稲盛さんの秘書をされていた方で、この大田さんに稲盛さんはJALの意識改革を任せたらしいです。

この本は、大田さんの著書で、大田さん、稲盛さんが主に最初の1年目にどのようにJALを意識改革し再生していったかが描かれています。

盛和塾で稲盛さんがJALのことをお話しすることはありましたが、当然のことながら悪いことはおっしゃいません。また、JALの社員の方も盛和塾で勉強をされていて、お話を聞きましたが、どのような苦労があったかというのはご存知ないのかお聞きできませんでした。

この本は稲盛さんの副官だからこそわかるお話が赤裸々に書かれていて、すさまじい苦労があったんだなということと、それでもリーダーの善き思いによって、こうも変わるのかと、結末がわかってはいても、驚きを禁じえないものがあります。アマゾンのカスタマーレビューで、”リーダーシップのすべてが書かれてある”というような投稿がありましたが、まさしくそうだと思います。部下を持たれている方、または人を動かさないといけない方、すべてに読んでほしいと思います。

稲盛さんのリーダーシップの凄さは、背中を見せるリーダーシップにあると思っています。78歳の男がまったく無私の心で誰よりも努力をし、なんの縁もなかったはずのJALの社員の為に尽くす、そういう想いに3万人という優秀だが偏狭なプライドを持った社員達が心をうたれいつのまにかまとまって自分の為でなくチームの為に動くようになる。それを稲盛さんは計算しているわけでなくただ人間として
正しいことをすれば経営はうまくいくという一点で経営されています。

私たちは、稲盛さんから『人格が大事である、人格で人を選ばないといけない』と聞いていて、自分でも本当にそうだと思いながらも採用や評価をつい能力でしてしまっています。

しかし、やはりそれではダメなんだなと、人格こそ大事なんだということが今回こそ、とどめのように私に腹落ちさせてくれた本でした。